ペイヴメントの日記

単なる日記です。1000文字程度の文章をなるべく毎日書こうと思います(書けなくてもOK)

若いうちに工場勤務やチラシ配りなどの日雇いアルバイトを1度は経験しておきたい

 若いうちに工場勤務やチラシ配りなどの日雇いアルバイトを1度は経験しておきたい(私が日雇いアルバイトをしたのは25年ぐらい前の話なので今は状況が変わってるかもしれない)

 まず工場勤務。雑誌の製本、袋詰め、シール貼りなどなど。1日6,000~8,000円(当時)。前日に電話で予約。常に人材不足で枠が埋まってることは少ない。慣れてくると先方から「xx日にアルバイト入れるか?」と打診が来るようになる。当日は早朝にどこかの駅前集合(e.g 京浜急行の平和島)。それっぽい人たちがウロウロしてるのですぐ分かる。見ず知らずの人間5~6人がワゴン車に乗せられ仕事場まで移動する。基本的に必要最低限しか会話しない。仕事自体は単純だが長時間同じことの繰り返しなので飽きる。これを10年とか続けたら狂ってしまうかもしれない。

 次にチラシ配り。ポスティングとも言う。1日に3,000~4,000枚のチラシを配って10,000円(当時)。原付3輪バイクで配布する地域まで行き、ひたすらチラシを配る仕事だ。私はドミノピザのチラシ(分厚い...)を担当していた。練馬区の光ヶ丘団地みたいなところは大量に捌けるので効率が良いが、戸建てしかない世田谷区は地獄。ゆっくり配る時間はないので常に走っている。1日に30,000歩ぐらい歩く(走る)のであっという間に体重が落ちる。お金も稼げてスタイルも維持できて、良いこと尽くめ(私は結構好き)と思っているが、「チラシお断り」と書いてあるマンションの管理人に通報されたことは数知れず。世間の風当たりは冷たい。

 屋台弁当販売という仕事をしたこともある。六本木の森ビルなど、大きなビルの下でパラソルとワゴンを広げ、弁当を500円ぐらいで売るアレだ。日当は4,000円(当時)11時~13時拘束。路上販売の許可が下りることはまず無いので、毎日ゲリラ販売を強いられ、警察が来たら撤収しなければならない。テキヤ(露天商)の方々も混じっていて気立ては良く人情肌の兄さんが多いがとにかく荒っぽい。客を取った取られたとケンカが絶えない。フーテンの寅さんの有名なセリフ「テキ屋殺すにゃ刃物はいらぬ、雨の三日も降ればいい」の通り、大雨/大雪/カンカン照りのときは誰も外に出てこない。準備した弁当が売れ残ってしまう。これも不安定な仕事だ。

 日雇いアルバイトに共通することはとにかく給料が安いことだ。税金や諸経費が沢山引かれ提示された額の7~8割程度しか残らないことも多い(逆に税金引かれない取っ払いは脱税なのでもっと怖いのだが…)。交通費も出ないので夜中に自転車で現地まで行ったこともある。完全に足元を見られているが、ワケアリの人はこれしか生きていく手段が無いのだ(自業自得だが、私も金髪ボウズでバンドをやっていたので仕事を選べなかった)。

 当時の理不尽極まりない生活を思うと、今勤めているホワイト企業で起こる全てのことを「たいしたことない」と感じられるのは幸せなことだと思う。社会人になる前に、理不尽なバイトを1度は体験してみてはどうだろうか?