ペイヴメントの日記

単なる日記です。1000文字程度の文章をなるべく毎日書こうと思います(書けなくてもOK)

オリジナルについての考察

 50歳になり、オリジナルについての定義がまとまったので書いておく。

 20代前半、割と真面目にバンドをやっていた。オリジナル曲をつくってライブハウスで演奏していたが、1か月に2~3回出演するためにはお客さんが飽きないように新曲を作り続ける必要がある。私はボーカル(Vo)だったので歌詞とメロディーを作っていたが、ある日ベース(Ba)の男に「歌詞とメロディーもっとカッコいいの作れない?歌詞なんて意味わかんないほうがいいんだよ。ブランキーとか意味わかんないけど超カッコいいじゃん。」と言われた。自分が気にしていたことをズバリ言い当てられ結構ショックだった。「新しい言葉」「誰も知らないようなメロディー」じゃないとダメな気がしたが、そんなものはポンポン出てこない。思考の迷路に迷い込み曲を作るペースが落ちた。バンドが楽しくなくなってしまい、遅めの就職(24歳)を機にバンドを抜けた。

 ベース(Ba)の彼が言っていたことは全面的に正しかったが、私の捉え方が間違っていた。オリジナルとは「新しい言葉」「誰も知らないようなメロディー」ではない。ブランキーの浅井健一(ベンジー)から自然に湧き出たものが彼のオリジナルであり、彼のオリジナルがカッコいいと世の中から判断されたのだ。

 私は浅井健一にはなれない。浅井健一になろうとすればするほど私から遠ざかる。私は私から自然に湧き出たものを作れば良い。オリジナルの追求とはそういうことだ(と思う)。答えは自分の中にある。